連日、物価上昇が、新聞、テレビで話題になっている。
政府も頭を抱えているだろうが、サラリー上昇以上の物価高に
一般市民には深刻な問題だ。
パリではバゲットが既に1ユーロになって、1フランが1ユーロの感覚と
思わざるを得ない状態だ。(1ユーロ=6,55975フラン)
バゲットが1ユーロなら(165円)、ガソリン1リッター1,5ユーロ(248円)、
タバコを止められない人には1箱5ユーロと、800円以上している。
フランからユーロへの切り替え時に便乗して、何もかも少しずつ値上がりした。
ユーロ高で日本円やドルを持ってくるツーリストには、全てがより高く見えるだろう。
我々の仕事でも、反対にフランスから輸出する場合、ユーロが高すぎてまともに
計算すれば売れない価格になるので、材料費、工賃の値上げに関わらず、
利益率を落として価格設定しないと、輸出できなくなってしまった。
フランスは、所得税は他のヨーロッパ諸国より低いようだが、TVAと呼ばれる
付加価値税が19,6%と他より高い。(日本の消費者税に該当する物)
直接、間接税、合わせるとヨーロッパで一番高い税金を払っている国がフランスだ。
他のヨーロッパの国に比較して、生産者から消費者に行くまでの間の仲介者が多く、
そのマージンで物価高になるともいわれている。
ベルギー国境に住む人は、ガソリン、タバコ、その他の買い物にベルギーに行くそうだ。
フランスのスーパーでも“この方が安い”と言うのを良く耳にするし、声に出さぬとも
安いのを探して買った方が良い商品は一杯ある。
食料品は安いのを選ぶか、味を選ぶか・・・悩む所だ。
なんと言ってもタダほど安いものはない。
そこで、家の周りで食べられる物は無いかと目を向けると、
意外と沢山あるもので、即、実践。
庭に咲くタンポポの葉はサラダに。誰もが知っている。
少し苦味があって敬遠していたが、煮て食べるとよい、と教えられて
ほうれん草より少し長目に煮ると、食べやすい。
イタリアで食べる、ほうれん草のように、オリーヴ油と酢をかけてサラダにするか
日本流のお浸しにして食べると美味しい。
アカシアの花はお浸しにして食べる。
良い香りと甘味があってこれまたグーです。
先日テレビのルポルタージュで色んな花を栽培して、食料にしている人が紹介された。
殆どの花は食べられる、と言う。
何本か植えてある藤の花の量が多いので、食べられるかと挑戦。
アカシアの花に似て意外と美味しい。
サラダに花びらを乗せて、飾り兼、食用、程度にしか未だ食べてないが・・・
ジャーマン・アイリスも然り。
これからはバラの花を利用できそうだ。
ただ、花類はたらふく食べて満腹する、事は出来ないけど、
多少でも経済的援助にはなるだろう ?
今は次々とハチクの新芽が、筍が出てきて毎日食べている。
ひざ、関節に良いとフランスの本に出ていたが、何よりタダで食べられるのが魅力。
森に散歩に行けば、食料品が手に入る。
蕨がそろそろ終わりになった。
イノモトソウ科のシダの新芽。早蕨(さわらび)と言うそうだ。
根茎から蕨粉を取るそうだ。知らなかった!
バーベキューで使った墨灰を入れた熱湯でさっと煮て一晩置いておけば
ドレッシングかけてアスパラのごとく、又はお浸しで。
フランスではシダを食べる人はいないから、初めて食べる人に勧めると、
手を出す人と出さない人の2通りあって反応が面白い。
未だ日本で牛肉の塊を食べる習慣のないころ、山田耕筰氏は若い学生を
家に食事によんで、生肉を、ステーキ・タルタルを出して若者の反応を見た、と
読んだ事がある。食事を共にすると、普段見えないところが見えるので、面白い。
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